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京都手しごと紀行 ~伝統を未来につなげる、京のものづくり探訪~

2020.07.17
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京都手しごと紀行 ~伝統を未来につなげる、京のものづくり探訪~

千年以上前から現在にいたるまで、その歴史の深さで人々を魅了している古都・京都。

寺社仏閣や芸能、食、着物……京都に息づく様々な文化は、今も愛され、世界中から注目されています。

そんな京都の文化を支えているのは、他でもない「ものづくり」の力。伝統と歴史を背負う職人たちが、技術と創意工夫で、伝統工芸を現代へと伝えています。

 

Creemaでは、そんな京都の「伝統と革新」のものづくりを様々な角度から知り、堪能していただく「京都 手しごと紀行」という企画を開催中です。

「京都手しごと紀行」企画ページはこちら!

そして読みものでは、伝統を守るだけにとどまらず、現代に伝える新たな挑戦を続ける5名の職人に、特別インタビューを実施しました。技が光る作品と、そのものづくりの心をお届けします。

 

京都の町をゆっくりとめぐるように、京都らしさと現代が融合する、職人技が光る作品の数々をどうぞお楽しみください。

現代にもフィットする、美しいうつわを。 - 瑞光窯​さん

「京扇子」で伝える日本のアイデンティティ - 金彩扇子作家 米原さん

竹の持つ美と機能性を現代の生活へ取り入れる - 長岡銘竹さん

手描友禅に、たおやかな気持ちをのせて。 - 染工房正茂さん

京都の四季を、伝統の清水焼に。 - 京焼・清水焼窯元 陶あんさん

現代にもフィットする、美しいうつわを。 - 瑞光窯さん

ぱっと目を惹く、美しい発色の器たち。

約250年もの歴史をもつ瑞光窯さんは、「料理が映える、感動のうつわ」をコンセプトに、使い手の暮らしに寄り添う器を、職人の手で生み出しています。

 

京都市内の各地で作られる焼物を総称して、「京焼」と呼びます。その中でも、清水寺から続く五条坂近辺で作られるものを「清水焼」というそうです。

独自の意匠性をもった清水焼は、かつては高級料亭などで扱われる大変高価なものでした。瑞光窯さんは、より多くの人に清水焼に触れてほしい、そしてその伝統を後世へと繋いでいってほしいという想いで、現代の人々の暮らしに寄り添う器を作り続けているのです。

 

伝統を未来につなげる、「ひらかれた窯元」として進化してきた瑞光窯さん。その歴史とものづくりへの想いについて、六代目・土谷瑞光さんにお話を伺いました。

―瑞光窯のはじまりと、土谷さんが作家として活動をはじめられたきっかけについて教えてください。

京都の伝統工芸である京焼・清水焼の本流、初代清水六兵衛が1771年に六兵衛窯を開窯しました。1818年には、二代清水六兵衛の長男が、清水七兵衛と名乗り分家。そして1867年、二代清水七兵衛の二男が養子に入り、初代土谷瑞光を名乗ったことが瑞光窯のはじまりです。

僕自身、幼少の頃から、陶芸を生業とする祖父や父、そこで働く職人たちの姿を見てきました。いつからか僕自身も自分の手で何かを創る人になりたい、と感じるようになったことがきっかけです。

昨年まで5年間ほど、ロクロ体験を教える仕事をしてきたのですが、お客様から、体験の見本として置いていたうつわ(特にターコイズブルー釉の作品)を買いたい!という多くのお声を頂戴し、新商品としての開発を始めました。

▲おもわず見惚れる、瑞光窯オリジナルのターコイズブルー釉。まるで絵画のようです。

―作品制作において、こだわりのポイントを教えていただけますか。

うつわの色合いです。瑞光窯の釉薬独特の「濃淡」や「色むら」や「結晶」は、1000回を超える調合テストを重ねて作り上げたものです。

このうつわがつくりあげる景色により、シンプルな盛り付けでも、料理に奥行きが生まれます。

京都は伝統と革新が共存する町です。“京都の伝統工芸を支えてきた熟練の職人たちによる手仕事”というスタイルを守りながらも、現代のカジュアルな食卓にフィットするうつわづくりをしているところが、瑞光窯特有の「京都らしさ」かなと思います。

たしかに、瑞光窯さんの器はどれも独自の発色・美しさが際立ちます。

「●●焼」と聞くと、つい和食との相性の良さばかりを想像してしまいますが、瑞光窯さんの器なら、パスタやスイーツなど、どんな食事も彩ってくれそうです。

―いちおしの作品と、その魅力についてお聞かせください。

ターコイズブルー釉のスープカップです。
芸術品のような佇まいのフォルム、職人の卓越したロクロ成形によるうつわの軽さ、スープカップ、サラダボウル、煮物鉢としても万能的に活躍する使い勝手の良さ……

見る、触れる、使う。全ての瞬間でお客様に感動をお届けしたいという思いで作っています。

手にしたお客様から「色々なうつわを集めているけれど、こんなに綺麗なブルーは見たことがない!」とおっしゃっていただけたのは特に嬉しかったです。
「写真よりも良い」というお言葉も頻繁にいただくので、撮影技術の向上に努めます(笑)

▲職人の技術によって、細部までこだわり抜かれた絶妙なフォルム。

これからの目標についておたずねすると、

目標は、瑞光窯を「日本一の陶芸ブランド」に育てることです。これからも様々な作風のうつわや、陶器のアクセサリー作りに挑戦しながら、使う人が暮らしの中で“特別感”を味わえるものづくりを続けていきます。

と教えてくれた土谷さん。瑞光窯さんの陶器がまとう、凛とした、かつあたたかな空気は、食卓を彩るのにぴったり。ギャラリーページでは、実際に使用シーンをイメージした作品画像も見ることができます。

長く受け継がれてきた職人の技術と、それを「革新」に繋げる力。暮らしの中でふと器をながめ、瑞光窯さんの歴史やパワーに思いを馳せる時間は、とても贅沢なものではないでしょうか。

瑞光窯さんのギャラリーはこちら!

「京扇子」で伝える日本のアイデンティティ - 金彩扇子作家 米原さん

金箔・銀箔をあしらったモダンな京扇子を手掛ける、金彩扇子作家 米原さん。Creemaでは、印刷では表現が難しい扇子本来の美しさ、格好良さを追求した作品を発信しています。

 

扇子そのものについては知っていても、「京扇子」という言葉には馴染みのない方が多いのではないでしょうか。

京扇子は、扇面・扇骨・仕上げ加工すべてを、京都および京都近郊の職人で作られた扇子のことを指します。

しかしこの言葉の定義だけでは、京扇子を作る職人の技術が、何を表現するための技術なのか、という部分までは触れられていません。

 

京扇子はその発祥のときから、歌舞伎や日本舞踊などの芸事、神事、祭事、仏事とともに、日本人の美徳や祈りを伝えてきました。

また、一見豪華なイメージのある金箔や銀箔は「もののあはれ」「侘び寂び」と呼ばれる、東洋独特の価値観の中では、豪華さの裏の切なさ・儚さを表現することもあります。

 

京扇子の持つ歴史やアイデンティティを、箔を使って扇子の上で表現し、現代に伝える米原さん。ものづくりのこと、伝統工芸の持つ"役割"についてお話を伺いました。

―米原さんの作家活動のきっかけについて教えていただけますか?

戦後、箔を扱っていた祖先が何かの縁で扇子に箔押しを始めたと聞いております。その後、親戚にも扇子に関わる仕事が回るようになり、扇子の工部の様々な工程に一族で関わるようになりました。特に祖父の代では盛況だったようです。

一方で、現在の生産システムで職人という職業を維持していくことに限界を感じました。よりよいものを作りその魅力を届けるには何か行動しなければと思い、京扇子の作家としても活動をはじめました。

―作品制作におけるこだわりや特徴について、お聞かせください。

京都の扇子が持つアイデンティティーを、箔を使って表現しているところや、京都の扇子の特徴、制作過程の特徴である分業制を守っている部分です。分業であることによって、専門分野への知識を使った表現(箔の表現)が可能になります。

神事、仏事、芸事と密接に関わり、その精神である祈りや、日本人ならではの美徳を表現してきた京扇子の歴史。それらを踏まえた上での表現を大切にしています。

―米原さんの京扇子の魅力は、どのようなところでしょうか。

伝統技術を使いながらも、工芸品と現代生活の間にある"溝"を、デザイン・色彩によって埋めております。
それによって、生活の中で持ち歩く想像がしやすい「和モダン」な商品になっていると思います。

▲落ち着いた白の上に輝く金箔がスタイリッシュ。あおぐ仕草を一層美しく見せます。

米原さんの作品は、竹の色味や閉じた時のフォルム、骨の本数まで扇子本来の美しさや上品さにこだわって作られています。

伝統的な技法でありながらも現代の生活にも馴染むデザインには、そうした細部への心くばりも活かされているのでしょう。

 

伝統工芸の担い手としての想い、これからの作品制作についても伺いました。

同じ作品を見て、「昔はこのような素敵な柄の物があったのよ」と言っていただける方と、「若い方がやっておられるだけあってモダンな雰囲気がある」という異なるお声を頂いたことがあります。
その時、自分は昔と今のパイプ役になって伝統を未来に渡す役割を担えているのだな、と感じました。

価格競争やテクノロジーの進化もあり、京扇子と名のつく商品の中にも他産地でも出来る表現を用いる商品も多い中、一本の筋を通すようなブランドに出来れば、と思います。
また、箔を扱い日本人の美徳を表現する技術を、扇子由来の技術として違う形にも出来たら面白いな、とも思っています。

ただ伝統技術を受け継ぐだけではなく、そこに潜む精神性・美徳を解釈し、作品を通して丁寧に伝える米原さんのものづくり。

伝統技術への理解が深いからこそ、現代らしさのある新しいデザインへ挑戦しても、その精神性は失われずに輝くのだということが、お話から伝わってまいりました。

細部まで技術の光る京扇子、特別な贈りものにもいかがでしょうか。

金彩扇子作家 米原さんのギャラリーはこちら!

竹の持つ美と機能性を現代の生活へ取り入れる - 長岡銘竹さん

古くから、日本人の生活に馴染み深かった、竹。

『かぐや姫』としても知られる、日本最古の物語『竹取物語』にも、「よろづのことに使いけり(=色々な用途に使っていました)」とあるように、軽く丈夫な竹材は、生活道具や工芸品など、様々な使い道で活躍してきました。

茶道や華道の文化が広がる頃には、侘び寂びを表現する素材としても竹が重用され、日本庭園や茶室にも欠かせない素材でした。

 

戦後の重化学工業の広がりにより、竹材の需要が落ち着いてしまったと言われている中で、長岡銘竹さんは良質な竹を使った竹垣の製作で成長を続けます。

そして現在では、竹垣に限らず、工芸品や室内に飾れるインテリア用品の制作にも力を入れ注目を浴びています。

 

竹の魅力や、竹を使用したアイデア溢れる作品についてご紹介いただきました。

―長岡銘竹さんの、ものづくりの歴史について教えてください。

1952年に、先代の三島仙一が竹材、竹製品の卸売業を開業し、良質な竹材を使用した竹垣を製作することで、高度成長期の中、会社は成長しました。先代が考案した「西山垣」という垣根は、その後そのデザインが日本全国に広まり、50年以上経った現在もなお、各地で作り続けられています。

2代目三島一郎は、竹材の提供よりも"ものづくり"に興味を示し、主に竹工芸品の制作で成長を続けました。なかでも、竹垣の仕事に関しては京都では一目置かれた存在となり、これまで大きな仕事に携わってきました。

近年、竹垣の需要が減る中で、『竹』そのものがもつ美しさ、しなやかさ、そして機能性を知ってもらいたいという思いから、生活に取り入れやすいインテリア製品の制作にも力を入れております。

▲絶妙なバランスで支える、ボトルスタンド。

―作品制作におけるこだわりポイントは、どんなところでしょうか。

まずは、『竹』を知ってもらいたいという気持ちが一番にあります。
次に『竹』で笑顔になってもらいたいという想いです。そうした想いがあるから、きっと弊社の作品からは、癒し、和み、驚きを感じていただけることと思います。

竹はその特性から、割っても、編んでも、組んでも、そのままでも、チップにしても使えるという無限の可能性があります。もちろん、扱うものは竹という自然素材のため、材料が均一ではなく、傷があるものもあれば、時間が経過すると色の変色もあります。
また円柱状のイメージのある竹ですが、実はそうではなく、形が楕円形で、曲がっていたり、身の厚みが違ったり、竹によって様々な特徴があります。
そんな竹をどう使えばお客様に喜んでいただける商品になるか、日々頭を悩ませながら制作しています。

ひと口に「竹」といっても、一本一本その特徴は様々。

それぞれの個性を活かしたものづくりに心を尽くす長岡銘竹さんは、竹と京都について、こんな風にも語っています。

京都を観光で訪れる方々は、寺社仏閣にある竹のしつらえや町家の前にある犬矢来(軒下にある、竹で出来た防護柵のようなもの)を「京都らしいな」という思いで眺めていらっしゃいます。
古くから日本人の生活に密接であった竹はどこか懐かしさもありながら、京都の竹は凛とした品格も合わせ持っています。
作品からにじむ凛とした品格も「京都らしさ」として感じていただきたいです。

―特にいちおしの作品について紹介していただけますか。

アロマディフューザー「ゆり籠」です。
一つ一つ手作りした小さな竹籠からは手仕事の温もりが感じられます。アロマディフューザーに触れて楽しむというのは珍しいかもしれませんが、ころんとした竹籠を手の中に包み込んで自然素材の優しさを感じながら、ほっとリラックスする時間を提供しています。

スピード感が早い現代社会において疲れを感じている女性に届けたくて、職人が自ら考案して作りました。今まで使われることが無かった「竹のワタ」を使ったことと、可愛く編まれたフォルムの優しさ、オリジナルブレンドの天然アロマの優しい香りが、癒しとなごみと驚きを届けます。

▲伝統的な技を用いて竹を割り、"四海波"と呼ばれる縁起の良い竹籠の形に編んでいます。

長岡銘竹さんのものづくりは、インテリアにとどまりません。

なんと、竹材を使ったQRコードを制作されたことがあり、その取り組みがニュースにも取り上げられました。

▲左側のQRコードを読み取ってみると……?

お客様からは、竹の斬新な使い方について驚かれることがよくあります。

「竹のQRコード」では、アナログな竹のピースの貼り合わせがデジタルの世界へ繋がること。
「京銘竹ボトルスタンド」では、ボトルを挿すことで絶妙なバランスで立つこと。
「アロマディフューザーゆり籠」では、「小さな竹籠ってこんなに可愛らしいんですね。」と驚かれたこと。

お客様のニーズに沿ったご提案ができることはもちろん、遊び心があることもお客様の心を惹きつけているのかなと感じています。

竹材の卸売業から始まり、竹垣、そしてこれまでのものづくりにとらわれない新しい作品を作り続ける長岡銘竹さん。これからの目標についてたずねると、

古くは日本人にとって身近な存在だった竹が、再び生活の中に当たり前にある世の中にすることと、心和む竹製品を作り続けることで、世界中の一人でも多くの方に『竹』で笑顔になってもらいたいということです。

竹の魅力を知ってほしい、という想いを感じるまっすぐな答えをいただきました。

 

近年、サスティナブルな素材としても注目を浴びる竹材。

時代を読み遊び心を持って、竹の魅力を様々なかたちへと生まれ変わらせる長岡銘竹さんが、次はどんな作品を生み出すのか、ぜひチェックしてみてくださいね。

長岡銘竹さんのギャラリーを見る!

手描友禅に、たおやかな気持ちをのせて。 - 染工房正茂さん

日本を代表する伝統工芸のひとつ、友禅染。

染工房正茂さんの手描友禅では、私たちの生活にも身近な草花や生きものが描かれ、その緻密な表現や色彩の美しさに心が癒されます。

 

どの作品からも、日本らしい凛とした上品さが感じられ、手にすると自然と背筋が伸びるような……。

京都では各工程の分業による制作が主流ですが、正茂さんは図案のデザインから仕上げまで、すべての工程を一人で手掛けていらっしゃいます。

一人が最後まで担当することによって、作品のイメージにより忠実に、制作を進めていくことが可能なのだそうです。

 

「友禅染」と聞くと着物を思い浮かべる方が多いと思いますが、正茂さんは小物やマルチケース、ストール、インテリア等々、手描友禅の技術を様々な形に活かしておられます。

作品制作のきっかけや、大切にしている考えについて、教えていただきました。

―正茂さんの、作家活動のきっかけについてお聞かせください。

幼少の頃より絵を描くことが好きで絵画教室にも通っていました。父が着物に金箔を貼る仕事をしていて、絵を描く仕事がしたいと考えた時に、絵を描く仕事=着物の仕事となり、高校卒業後そのまま作家の先生へ弟子入りし、独立して着物を染める仕事に携わりながら小物も制作するようになりました。


独立当初は着物の作家として活動していました。展示会などで作品を発表するときに、着物以外のものも必要だと感じたので、普段にも(洋装にも)使えるアイテムを作るようになりました。
現在では主に一職人として着物の制作に携わりながら、引き続き普段も使える作品を幅広く制作しています。

―制作について、こだわっているところを教えていただけますか。

手描友禅は江戸時代から受け継いできた技術です。現在は、使う材料や素材は昔のものとは違ってきていますが、技術自体はほとんど変わっておりません。

京都の伝統工芸は、基本的には分業なので、各工程ごとに職人さんがおられるのですが、私は作家の先生から技術を習ったため、図案から仕上げまでを行うことができます。教わった様々な技術の全てではなくても、どれか一つを必ず活かすようにして、柄や配色において、日本画的な表現や伝統的な色をイメージして制作しています。

制作の際は、着物や日本画的な柄のイメージと、きれいな色を使ったとしても"上品さ"が感じられるよう、意識しています。

―Creemaにご出品いただいた、特にこだわりの作品について教えてください。

「マルチケースとして使える革の懐紙入れ」は、本来生地を染める技術の手描友禅を革へ使っているところと、デザインが革小物ではあまり見ない着物の柄のような表現にしているところがユニークだと思います。

しっかりした厚みの革でできているので、着物を着た時の札入れ(財布代わり)としても似合いますし、着物好きの方や伝統工芸に興味のある方が、普段の生活でも懐紙をメモ帳代わりにペンと入れて手帳としてや、小さなお化粧直し入れとして、多目的にさらりと使っていただけたると、おしゃれに生活していただけるのではないかと思っています。

▲鮮やかでありながら、品のある色彩とデザイン。

お客様から、「一目惚れした!」とか「上品でした!」といったお言葉をいただけるとやっぱり嬉しいです。
実際の展示販売会などでは、すごく高価なものをしばらく悩まれて、「やっぱり他にはないから」と購入されたことがあり、驚いたのと同時に、技術を尽くした作品を「他にはないから」と手に取り、買ってくださる人がいることに心から感謝、感動しました。

「友禅染」と聞くと、格調高く、そう簡単には手に入れられない、という印象がありました。

しかし正茂さんの作品は、着物を着る機会のない方でも、日常使いしたくなるような、使いやすく心躍るデザインが魅力。描かれている自然のモチーフに、心が和むからかもしれません。

 

これからの活動に向けてのお話を伺うと、

今まで日本人が引き継いできた日本的な感性、感覚といったものを大事にしながら手描友禅の技術を活かしてものづくりをしていきたいと考えています。

と教えていただきました。

ギャラリーページには、リネンストール、バングル、キーリング、お部屋に飾れるファブリックパネルなど、思わず目をうばわれる素敵な作品がたくさん。

 

江戸時代から受け継がれてきた手描友禅の技術。普段は意識していなくても、ふとその表現に触れると、その懐かしさと美しさに、不思議と心が潤います。

暮らしの中に取り入れて、身近な「和」を楽しんでみませんか?

染工房正茂さんのギャラリーはこちら!

京都の四季を、伝統の清水焼に。 - 京焼・清水焼窯元 陶あんさん

華やかで独創的な色合いとデザインが目を惹く、京焼・清水焼窯元 陶あんさんの作品。現在は、四代目・土渕善亜貴さんが当主をつとめていらっしゃいます。

草花を中心に描かれた器は、まるでそのものが花のように、食卓・お部屋の中をぱっと明るく彩ります。

 

陶あんさんの作品は、器だけではありません。

絵付けされた陶器で作られた、アクセサリーやストラップ、帯留めなど、様々な暮らしの場面に華を添えます。

 

品質や高い技術はもちろんのこと、その独自性のあるデザインは、時代を超えて注目を集めます。いちおしの作品や、作品に込められた「京都らしさ」について教えていただきました。

―陶あんさんのものづくりの歴史について、ご紹介いただけますか。

陶葊は大正11年、京都の東山区泉涌寺で創業しました。初期は伝統的な京瓦(東山周辺からとれる粘土を使った、独特の光沢が特徴の瓦)を作っており、その後、釉薬や鮮やかな絵の具を研究し、現在の基礎となる技術を確立しました。

江戸時代の高名な陶工である野々村仁清(にんせい)、尾形乾山(けんざん)から京焼・清水焼の伝統を受け継ぎつつ、常に技術革新に取り組んでいます。

―作品制作のポイントはどういったところでしょうか。

成形から絵付、結晶の物まで、全て一つ一つ手作り手描きしているところです。

また、京都は四季が楽しめる土地なので、四季を感じる草花をモチーフに描き、華やかで雅な色合いの部分に京都らしさを表しています。

▲美しい黄色が印象的。目から夏を楽しめます。

―Creemaにご出品いただいた中で、いちおしの作品を教えていただけますか。

「玉湯呑」です。コロンとした可愛らしい形と手に収まりやすいサイズで、お湯呑み以外にも、お料理やデザートを入れる小鉢としてもお使い頂けるため、使い勝手も良いところがおすすめです。

▲丸みのあるフォルムと紫陽花が可愛らしい湯呑。

陶あんさんの作品には、季節の草花が多く描かれています。華やかでありながらもしなやかさ・やわらかさを感じる筆致で、食事との相性もよく、使いやすそうです。

 

「贈り物にも喜ばれそう」と思っていたところ、実際に贈り物として選ばれる方も多いとのこと。

作品にはバリエーションがあり、これからの季節におすすめの、清涼感のあるヘアゴムも。

これからのお取組みについてたずねると、

京焼・清水焼の伝統を受け継ぎつつ、技術革新の取り組みや現代の生活に潤いを与えられる華やかな器を創り出していきたいと思っております。

とお答えいただきました。

上質の原材料を使い、熟練した職人の手で作品を作り続ける陶あんさん。ものづくりへのひたむきな向き合い方と創造性は、ずっと受け継がれています。

 

ギャラリーページには、色とりどり、様々な技術が活かされた作品がたくさん見られます。思わず目移りしてしまいそうですが、大切な人への贈り物や、自分へのご褒美として、お気に入りを探してみてください。

京焼・清水焼窯元 陶あんさんのギャラリーはこちら!

伝統を未来につなげる。

伝統を伝統で終わらせない、ものづくりへの情熱と探求心。

今回お話を伺った、5名の職人さんの姿からは、そんな熱い想いと姿勢が伝わってまいりました。

 

京都といえば、その長い歴史に目がいきますが

技術を以て「革新」「新しいこと」に果敢にチャレンジしていくこと。

それは、伝統を知り、守ってきた職人だからこそできることなのだと、気が付きました。

 

変わりゆく日常に戸惑うことも多い昨今ですが、

京都のものづくりを支える職人のみなさまの姿に、前向きに、未来へと向かっていくパワーを分けていただけたインタビューでした。

 

「京都手づくり紀行」では、京都で活躍する気鋭のクリエイターをご紹介しております。

京都に足を運んだ気持ちになって、"作品めぐり"をしていただけると幸いです。

 

伝統と現代が融合し、新たな文化を生み出す。そんな京都のものづくりのこれからが、楽しみでたまりません。

(特集)Creema 京都手しごと紀行

京都だからこそできる、伝統と革新のものづくり。京都を散策するように、魅力的な作品探しを楽しんでみてください!

※本記事は、京都府より委託を受け、株式会社クリーマが制作させていただいております。

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